右直事故とは
バイクで走行する際には、どんなにヘルメットやプロテクターで装備を万全にしていても、一瞬の不注意で事故が起きることがありますので注意をしなければなりません。
バイクの中でも特に多いのは、「右直事故」と呼ばれるものです。
右直事故は右折しようとしている自動車と直進しているバイクの間で起こる事故のことで、右折車と直進車の速度差が大きいため、衝突時のインパクトが大きく死亡事故につながることも稀ではありません。
バイクの死亡事故を見てみても右直による死亡の割合は全体の2割を占めていますので、厳重に注意しなければならないことが分かります。
右直事故が起こるのは交差点だけではない
右直事故と言うと、信号待ちをしている交差点で起きるというイメージが強いのですが、実際には交差点だけで右直事故が起こっているわけではありません。
駐車場の入り口なども、右直事故が起きやすい地点のひとつです。
反対車線側にある駐車場に右折横断をして入ろうとしているときに、対向車が止まってくれたので慌てて右折したところで対向車の左側から走り出てきたバイクと衝突してしまうケースなども多くなっています。
善意が仇となって起こってしまうサンキュー事故なども右直事故の典型的なパターンなので、運転中は情にほだされずに、交通規則をしっかりと遵守することが大切になってきます。
右直事故は、運転にかなり熟練したドライバーでも起こり得る事故ですので、油断は禁物です。
バイクを運転していた警察官と、車を運転していた県警職員の間に起こった右直事故で警察官が死亡した事故なども報告されています。
運転の技術とは関係なく起こりやすいのが右直事故と言っていいでしょう。
右直事故における過失の割合
右直事故は、事故が起こった状況によって過失の割合が異なってきます。
例えば信号機のある交差点で右直事故が起こった場合、直進車と右折車がともに青信号で交差点に進入したケースでは、過失の割合は右折車が80なのに対し直進車が20になります。
直進車と右折車が両方とも黄色信号で交差点に進入した場合には、直進車40、右折車60の過失割合に変化します。
信号のある交差点での右直事故は、信号が赤か青かで状況がかなり変わってきます。
直進車が赤信号で進入し、右折車は青矢印または青信号で右折した場合ですと、直進車の過失割合は100となります。
ストレスが溜まっていたり睡眠不足が続いていたりして体調が万全でないと、とっさの判断がうまくできず事故につながることがありますので、注意したいものです。
公道を走行するということは、自分の身の安全だけではなくて通行者の安全にも関わるということですので、自覚を持って運転することが重要です。