空冷とは?
エンジンはいろいろと種類分けできますが、その中の一つに空冷と水冷があります。
これはエンジンを冷却する方式による違いです。
空冷エンジンとは、外気や走行した際に発生する風によって冷却する仕組みです。
具体的にはシリンダーヘッドやシリンダーブロックに冷却フィンが装着されています。
このフィンを使って放熱を促し、エンジンを冷やすわけです。
空冷エンジンの中でも自然空冷と強制空冷の2タイプがあります。
自然空冷とは走行風だけで冷却するエンジンです。
一方強制空冷とはエンジンで冷却ファンを駆動させ、それで冷やす方式です。
水冷とは?
水冷エンジンとは文字通り冷却水を循環させることで、エンジンを冷やすアプローチのものを指します。
燃焼室壁面やシリンダーの周辺に冷却水の循環する通路がレイアウトされています。
いずれもエンジンの中でも温度の上昇しやすい箇所で、こちらを集中的に冷やします。
冷却水がエンジン周辺を通ると本体を冷やしますが、冷却水のほうが温まってしまいます。
そこで役目を終えた冷却水はラジエーターに送られます。
ここで冷却水を冷やします。
ラジエーターには走行風が入ってくるので、こちらで冷却水を再度冷やす形です。
水冷が主流な理由
現在特に国産のバイクを見てみると、水冷が主流です。
なぜ主流になっているか、それはオーバーヒートの心配がなく、運転中エンジンの温度をしっかりコントロールできるからです。
温度調整ができるので、燃焼効率もコントロールしやすいです。
その結果、燃費や排ガス性能なども向上しました。
しかし一方でオーバーヒートの懸念もありませんから、エンジンパワーを向上させても問題ありません。
現在日本では排気ガスや騒音の厳しい規制が設定されています。
もし空冷エンジンでこれをクリアするためには、パワーダウンを強いられます。
国産メーカーによると、同じスポーツバイクでも基準クリアするためには空冷は水冷よりも30%以上パワーダウンしてしまうといいます。
これだけパワーの弱いバイクを購入する人はいないだろうということで、空冷エンジンのモデルが姿を消しているわけです。
海外ブランドには空冷も
海外ブランドを見てみると、空冷エンジンがまだ活躍しています。
特に老舗のブランドの場合、空冷エンジンのイメージも定着しているので伝統が脈々と受け継がれています。
水冷エンジンの場合冷却水路を確保しなければなりませんし、複雑な構造です。
このため従来のデザインを大きく変えなければなりません。
伝統的なフォルムを台無しにするくらいであれば、今まで通り空冷エンジンを採用しようという考え方をするメーカーもあります。
水冷と空冷とはエンジンフィーリングも大きく異なるといわれています。
好みがわかれるようなので、自分はどちらが好みか比較してみてもいいでしょう。